これは、ティアーズオブザサンのトルコ版リメイク?
似過ぎてて。
前者を悉く文学的哲学的、ウェットにして時系列ミックスさせる系にした感じ。
滑り出しは凄く爽快でつかまれたけど、余りにも緩慢な会話劇と音楽の誇張感で集中力切れた。
前者の方が好み。
三島由紀夫はこういうの好きそう。
いちいち登場人物の文学的な台詞回しが非リアルでくどい。
めっちゃ「敵」を「やっつけて」くれる点だけが、ブラックホーク・ダウンなどの救いのないコテンパン筋書きと違う。
だからっていいとは言えないけど..
いつも思うけど、こういう時に女性キャラが「私だけを助けるのはイヤ。現地人も助けて」と言って、結果現地人助かる変わりにレンジャーがかなり亡くなる。
結局、私達の変わりにあなた方が以下省略と言ってるのと変わらなく感じで、複雑。
命に優先順位など無いのに、立場が変わるだけで、取れる行動に於いて道徳的な考えに優劣ができてしまうのが辛い。
何にしても、演出が戦争映画向きでは無い。脚本と音楽が主張し過ぎて、劇を見ているみたい。
その割に、これ何のシーン?みたいな映像もある。
ブラックホーク・ダウンやジャーヘッドや他の刺さる戦争映画って、わりと登場人物のキャラの描き分けをしっかりしていたりするけど、この作品は、キャストの見た目が違うだけで喋らせてるセリフや精神が皆均一。
脚本が主張し過ぎて役者をころしてる。
改めて、作品に於ける名台詞って、一つ二つでいいのではと思えてきた。
勿論、短いスパンで爽快に光るセリフをぶち込んでくる日本のドラマ黄金期の「HERO」みたいなのがエンタメ的には好きだけど、それもきっとくどくならない上手い入れ方をしてるんだと思うし、
戦争映画でべらべらとそれらしい、二、三回聞き直さなきゃ理解できないレベルの「名台詞」を延々と回されると、ちょっとな..
まじで? となってしまう。
たぶんこの脚本家ないし監督?は、ご自身の戦争に対する哲学的な知見を披露したくて、だけど観客にそれを共感させたり追体験できるような構造は取れなかったんだと思う。
これなら、文芸書として本で読んだ方が分かりやすそう。