Tラモーン

点のTラモーンのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.0
とても濃密な26分。


東京で働くともえ(中村ゆり)は友人の結婚式のため田舎へ帰省していた。着物を着るため、街の床屋へうなじを剃りに行くと、幼馴染で高校時代の元恋人・高志(山田孝之)が父親から店を継いでいた。14年ぶりに再開した2人はぎこちないながらも言葉を交わす。


たった26分なのに山田孝之、中村ゆりの名演のおかげで、2人の幼馴染としての成長と恋人として過ごした高校時代、そして別れてからの人生が滲み出しているような濃密で切ない作品だった。

上京し汚れてしまった自分が許せないでいるともえ、田舎で燻っていることにコンプレックスを抱える高志。
言葉には出さないものの、2人とも別れてからそれぞれの苦悩があったことが伺える。

偶然の再会により純粋だったころの自分を思い出した2人がスッと前を向くようなラストが清々しい。

"ねぇ。前髪も切ってくれる?"

懐かしい思い出のお陰で、切なさを抱えつつも温かい気持ちで少し前に進んだ2人の表情が素敵すぎる。

ともえの自転車立ち漕ぎとyonigeのガツっとしたギターでエンドロールに突入するのも最高。
Tラモーン

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