クリストフォルー

はじめてのおもてなしのクリストフォルーのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
4.1
大方の日本人にとっては、過っての“出稼ぎ労働者”レベルに止めておきたいのが”外国人就労者”という存在への本音なのかもしれないが、帰るべき国・故郷が、ポコ・ハラムやタリバンなどが牙を剝いて襲ってくる場所になっていたとしたら、この国に移民や難民の居る場所はないなどと、いつまでも言っていて良いのだろうか。
人権担当総理補佐官を置こうが、憲法改正論議を盛り上げたいと目論もうが、結局、この国をどんなかたちにすべきか、日本人だけでは論議は進まない気がする。懼れや排除ではない未来志向の対話を、宗教や民族の垣根を越えて、世界の人々と繰り広げることが肝要だ。そのための一歩を、この映画は示してくれている。

こんな映画が日本でも作られる日が来て欲しいのだが、いまはまるで無理だと思えるのが悔しい。
逆に、1973年の時点で、国を失い、日本人(生存者)が移民・難民となって世界に出て行かざるを得ない状況を構想(小説『日本沈没』)した小松左京氏は、あらためてスゴイと思うよ。
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