MushisasareKamo

はじめてのおもてなしのMushisasareKamoのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
4.0
ドイツの難民問題を実感できると言われているこの映画。
難民問題を中心として、家族や人種、宗教、思想あらゆる価値観が交錯していた。

劇中、タレクがゾフィに言ったセリフが印象的だった。

「今の危機を乗り越えたらこの国の姿や目指すべき方向が見えてくると思う。ドイツ人は自分たちがどうするべきか今も悩む。ドイツは自由で寛容だ。これを否定する奴らから守る必要がある。ドイツ人でも外国人でも。右でも左でも。ナチでもISでも。」

この考えには、大いに納得させられた。
否定したり攻撃するのはスマートじゃない。今の日本もそう。何か問題が起きたら叩いて否定して…
なかなか難しいかもしれないけどナイジェリア難民のディアロと、ドイツ人のリヒャルトの会話の中で学ぶところがあった。
それはお互いを否定しないでまずお互いの考え方を知る。そして、質問し合う。それで何がベストか探り合うこと。

難民問題に興味があり、大学で少し学んだ。日本に住むイラン難民の方の話を聞いたとき絶句した。日本ではどんなに卑劣で恐ろしいことが起こっているか。日本に来たことを彼は絶望していた。

ハッピーな難民映画を観て、難民問題に興味を持つ人が一人でもいれば…