ゆうと

ジョニーは行方不明/台北暮色のゆうとのレビュー・感想・評価

4.0
日本だと「きみの鳥はうたえる」や「走れ、絶望に追いつかれない速さで」あたりを思い出した。どの作品も、街に生きる現代の20代30代そこらの人たちの乾き切ってしまったような感情やその表現方法の細かい挙動を捉えていると感じる。それは人間関係の選択肢や情報のパンク、対して家族慣習や常識などいまだ残るしがらみ、そういった類からの防御作用という側面があるのだろう。国が違っても彼らの仕草がすごく似ていると感じる。1シーン1シーンの映像が必要以上に映像そのものとして美しいことも似ていて(これは膨大な映像や画像やモノの中から一目で選んでもらうための技術で、商品のデザインが重視されたりインスタの中で行われている現代的な工夫だと思う。山戸結希などの作品にも同様の執拗な工夫が感じられる。)、その美しさの奥に秘めた虚無感や孤独を際立たせていると感じる。
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