劇場版はU-NEXTで配信が始まっていますが、今回沈没ハウスが取り壊されるということで上映が企画された、こちらの卒業制作版を拝見。画面ブレでけっこう酔っちゃったんだけど、観てよかったです。
もともとこの沈没家族の話を聞いたときは、めちゃめちゃ自分の理想の家族形態だなと、先進的でカッコいいと思いました。土さんが小さい頃NHKのドキュメンタリ番組で取り上げられるなどもし、大きな反響もあったそうです。
ところが、というほど落差があったわけでもないけれど、今回土さんが撮ったこのセルフドキュメンタリを観てみて、この生き方はあくまでも大人にフィットしたものであって、子どもにとって必ず良いと言えるものではないんだなと分かりました。土さんやめぐさんは結果肯定的に捉えていたから良かったけれども、それでも家族ではないんだなとか、違和はあったんだなとか、驚きとともに考えさせられるものが多数ありました。
それから山くんのパートはなんだか見ていてつらかった……複雑な感情が生生しく記録されていて、それだけでもこの作品にはものすごく価値があると思ったし、一方で山くんの気持ちになってみるとちょっと言葉にならないものがありました。
上映後に見せていただいたスライドショーの中に山くんが沈没ハウスで笑っている写真があり、泣きそうになってしまいました。
本も買ったので拝読します。穂子さんにいつかお話聞いてみたいな。監督はいま穂子さんのお母様についての作品制作の構想があるそうで (完成するか、世に出るかは分かりません)、そのあたりのお話も調べてみようと思います。