ハレルヤ

悲しみに、こんにちはのハレルヤのレビュー・感想・評価

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)
3.9
両親を病気で亡くした主人公の少女フリダ。叔父叔母の家族に引き取られて日々を過ごす中、自分の親の死に向き合っていく姿を描いたドラマ。

カルラ・シモン監督の実体験に基づいた作品。自分の親が死んでしまうという現実を、まだ幼い年頃でどう受け止めなければいけないのか。かなり胸に迫る内容でした。

そしてもう1つのテーマになるのは親戚の家族の一員になる事。今まで叔父さん叔母さん従姉妹だった人たちが家族になる。家族もフリダ自身もどう接していけばいいのか、色んな葛藤の中互いに手探りで模索していきます。

やはり自分の親がいない寂しさからか、叔父さん叔母さんとの関係もギクシャクしたり、従姉妹に嫌がらせをしたり、挙げ句の果てに夜中に家出しようとしたり。フリダの心の苦しさが伝わってくるようでした。

そのフリダを演じたライア・アルティガスの演技はまさしく必見。基本控え目ですが、時折見せる切なさが滲み出る表情は、演技に見えないほどのリアルさ。なので余計に辛さが感じられましたね。

そしてラストシーンでフリダが流した涙。本来温かくて微笑ましい場面でしたが、思わずこっちももらい泣きしそうなほどの感情の洪水が押し寄せてきました。

監督の実話だけにリアリティが凄く感じられる作品に仕上がっていたと思います。派手さは全く無く地味な作風ですが、心に温もりは確かに感じ取れる良作です。
ハレルヤ

ハレルヤ