悪魔の棲むYeah

ジュリアンの悪魔の棲むYeahのレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
3.0
Filmarks試写会で鑑賞(ありがとうございました)

原題は「親権」を意味するcustody。
地味だけど、こっちがいいでしょってまず思った。
ヴェネチア国際映画祭・監督賞その他って宣伝材料もあるし、この映画を選ぶ層は、地味だからって理由で敬遠する人々ではないと思う。逆に、子供の名前を冠した作品なんて沢山あるから忘れられやすい。
もっと潜在客の感性(あるいは賞を獲ったってんなら観てみようという俗物根性)を、配給会社は信用していいと思う。冗談抜きで。

およそ90分、息をのんで観ていたから、これが長編初監督っていうのは辣腕なんだと思った。会話劇から始まるけども、自然な語り口だから説明的なせりふをそんな風に感じさせない。

ただ、ある有名な映画に強く影響を受けたような場面がところどころにあって、独創性で弱かった。
それから、暴力的な親父のロクでも無さしか伝わってこなくて、親父の別の顔を見せるとかなんかもうひとつ欲しかった。あんなだと、同僚からの擁護発言だって言わされた感しか無い。