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ジュリアンの4747のネタバレレビュー・内容・結末

ジュリアン(2017年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

離婚調停の取り決めによって隔週で父、アントワーヌと会うことになった10歳位の少年、ジュリアン。ジュリアンは母、ミリアムを父の暴力から守るため、父に嘘をつく。父親の歪んだ愛情がやがて憎しみに変わり…。

最近の流行りではあるが、極力BGMを使わずに生活音だけでリアルさを出すしているのが印象的。ドントブリーズやバードケージと同じように緊張感を生み出していた。車のシートベルト着用のアラームは神経質なアントワーヌを表すのにぴったりだった。

余談だが、フランスの出産における婚外子の割合は57%と先進国最多で、お姉ちゃんの妊娠からの駆け落ちは意外と普通の事だったのかなと感じた。


以下ネタバレです。

普通に映画としては楽しめたのだが、予想を大きく裏切られてしまった。予告では「ジュリアンの嘘の意味とは?」と煽りが入っていたため、実は母親が悪いのか!?実はジュリアンが悪童で両親をたくみに操っているのか!?とか、そういう展開を期待していたため肩透かしであった。そのまんまかよ!と。
確かに別れた夫が猟銃をもって家に来るというのは衝撃の展開ではあるが予想の範疇では!?
深読みに深読みを重ねると、ラストシーンのミリアムの言葉「おわった、おわった」とはこれまでの計画が功を奏し、夫を法のもと裁くことができた、という意味なのかもしれない。そうやって考えると執拗に嘘をつくジュリアンの行動やパーティで恋人の姿を見せたのもわざとなのかもしれない…。確かに、アパートの向かいのおばさんの通報の早さや正確さ(緊急事態に家の入り方をあんなに丁寧に説明できるのか?)は、事前に打ち合わせがあったと考えられる。また、ラストシーンの目配せも怪しげでサインを送っていたようにも思える。
時系列は戻るが、アントワーヌの実家で彼を激昂させ、家から追い出し、猟銃を手元に置かせたのも、ジュリアンの行動が起点であった。非常に深読みをすればだが…。
日本だけが裏があるかのような宣伝をしているのか、どう言った真意で上記のような予告をしていたのかは分からないがミスリードを誘うような宣伝は極力辞めてほしい…。
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