劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-のheidihykwのネタバレレビュー・内容・結末

まず手術シーンが少なすぎる。面白い症例や事故、シビアな展開もない。挿管とクランプとAEDと吐血がハイライトって、嘘でしょ笑。肝心のドクターヘリの出動回数も数える程。医療ドラマとしての見応えは皆無で、初期の硬派な作風は影も形もない。脚本家交代の功罪は大きい。

ではその分ヒューマンドラマ的要素が品質を補っていたかというとそんな事はなく、藍沢はトロントへ旅立ったのにたまたま帰国中で、たまたま事故機に乗り合わせたので先行してトリアージ、冴島はたまたま翌週挙式の予定だったので瀕死の花嫁に式場を譲る（そして元々の挙式日程だと余命から1週間だけ間に合わなかったことが最後に示唆される）、緋山もたまたま周産期医療センターへの異動を延期しているなど、御都合主義のオンパレード。なお椎名桔平は今回基本的に空気である上、脳死した息子の臓器摘出を終えたばかりの遺族に、臓器提供で生き延びた自身の息子の心音をドヤ顔で聞かせる謎対応（しかしその時周囲から聞こえる嗚咽、、）。結婚式のビデオを撮る以外に、特段チームワークを発揮した場面もないので、何故今回改めて仲間が大事という結論になったのか説得力がない。

加えて個々人の仄かな生い立ちエピソードまで積み込み、とっ散らかしたまま終わった。わざわざ映画化してまで追加で描きたかったものは何だったのか？腑に落ちないまま映画館を後にした。