はと

モリのいる場所のはとのネタバレレビュー・内容・結末

モリのいる場所(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

どうして沖田監督の作品はこんなにも役に役者がハマるんだろう。主人公だけでなく周りの人もみんな。
今回の映画には、大きなことは起こらず、本当にこのモリの日常が一部切り取られただけの映画だった。
だからこそなのかもしれないけれど、心地よくてわたしもそこにいるような錯覚に陥る。
モリがねっ転んでありを眺めているところ、囲碁では考える時間は長いのに、いつも瞬殺の秀子に負けてしまうところ、看板の文字ではなく、自分の好きな言葉を書いてしまうところ、カレーうどんを掴めないところ、すべて愛おしい。
山崎さんのお髭も素晴らしいし、近年でこんなにパイポが似合う人いたかな…と思えるほど、しっくりきている。
開始20秒ぐらい、静寂の時間が流れてからの美術館のシーンでしかモリの作品が出てこないし、実際に描いている姿も出てこない。書斎?も最後にちょろっとだけ。
画家としてのモリではなく、モリの人自身の魅力を描いているところが素敵だった。この映画を見てから作品を見ると、この人だからこそあの作品が生まれるんだと腑に落ちる。とても沖田監督らしくて大好きな映画になった。
キツツキと雨のときの山崎さんとは全く違った役柄で、ギャップがすごかった。
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