Mai

モリのいる場所のMaiのネタバレレビュー・内容・結末

モリのいる場所(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

良きコメディ。映画を観終わってから熊谷守一の作風を初めて見たときに、随所の演出がどこかとぼけたものになっている理由に納得がいった。

今までは映画を見終わったあとにその映画がどんなメッセージを送っているのか、役者さんの演技のどこに監督が表現したかったものがあったのか、主題はなんなのかという答えを見つけようとしていたけれど、この映画はそんなことが無駄なことに感じられた。

実在の熊谷守一の晩年の1日をコミカルに描いている。昭和レトロな笑いとご近所さんとの付き合いに胸が温かくなった。何てことはないでもなんか忙しかった1日。次の日にはマンションが建つ。

敢えてテーマを見つけたとしたら、少しずつ変化する人の心や環境を受け入れて、それに溶け込むように生活することが人生なのかもな、と思えた。誰かと毎日なんてことないことを話しているけどそれが相手にも自分にも小さな変化を与えていて、その積み重ねで人生になるんだなと。

下手がいい、上手は先が見えてしまう。
いい台詞でしたね。
Mai

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