空衣

ゼンネ・ダンサーの空衣のレビュー・感想・評価

ゼンネ・ダンサー(2012年製作の映画)
3.7
真夜中の湖面に蛍光の虹をぶちまけたようなベリーダンサーの物語、かと思いきや映像の主役がそちらにあるにしても、内容は可愛らしい髭面男性のゲイカミングアウトと、それによる悲劇。
家族ならわかってくれるはずだと背中を押す彼の恋人はドイツ人であり、保守的なトルコ家庭で育ったアフメットの現状を想定できるはずもなく。黒と白の世界に鮮血が滴る。



以前ムスリムの多いインドネシアに行ったときは、街中でレインボーフラッグに大きな斜線が引かれていた。宗教柄、同性愛は厳禁。ようやく陽の目を浴びてきた日本の活動とも真逆の主張で、「好きだけれどここには居られない」と体感した。インドネシアもトルコも生活そのものに厳格過ぎるイスラム教を取り入れているわけではないはずだが、この仕打ちは確かにあるのだ。
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