灯火

さびしんぼうの灯火のレビュー・感想・評価

さびしんぼう(1985年製作の映画)
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いやあこの人女の子を儚く撮るのがうますぎる。

尾道の少女を追いかける、フィルムの入っていないカメラ。

フィクションは突き抜けた先にドキュメンタリーになる。
この映画にもちゃんと尾道の事実が記録されてるなあと思った。
その解像度の高さが、痒いところに手が届く感じで超良い。素敵だね。
さびしんぼうちゃんも、いるんだと思う。

メシに味噌汁ぶっかけて、刺身と沢庵浮かべてさ、ポテトサラダまぶして食うなんて…天才かと思った。とろろも一緒にね…。

さびしんぼうのアイシャドウが雨に溶け出て黒い涙になるとこ鳥肌たったなあ。

いつしかさびしんぼうの写真のことを忘れてしまったけど、忘れなかったらいつまでも大人にはなれなかっただろう、といった旨のことを最後に言っていたけど、ノスタルジーを熱心にやってる人たちはみんなこういうことちゃんとわかっていて、頭が上がらない。


「学校の理科室で勝手に実験器具使ってすき焼き」みたいなのも青春映画で全然ありそうなんだけど、こういうシーンは他の作品には多分なくて、
こういう”尾道の記憶”が大林宣彦の作品にしかないものなのかもなあと思った。
キッズリターンでやってた自転車の二人乗りのシーンみたいな新鮮さがある。
灯火

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