アベベチゴベナ

最初で最後のキスのアベベチゴベナのネタバレレビュー・内容・結末

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

みなさん書いてらっしゃいますが、幸福度の高い序盤、中盤とショッキングなラストの落差がすごいですね。
私自身、何も知らずに見たので鑑賞中かなり驚きましたし、ダメージを受けて帰路につきました。


Netflix配信の「13の理由」のような、ティーンに向けた映像作品で、これが誰かの救いになればいいと思いますし、大人は救いの手を差し出せるといいなと思います。

この映画の1番キッチリしてるなと思うところは、「みんな考えてね」という開放的なラストにするのではなく、最後にIFの世界をあえて見せるところだと感じました。つまり、あえて模範解答を見せることが素晴らしいなと思います。この模範解答によって、最も根本的なテーマの「個の尊重」が浮かび上がりますし、よりティーンに伝わりやすくなったのかなと思います。(説教くさいと感じる人もいるかもしれませんが…)


彼が、セクシャリティを受け入れられず、ああいった行動をしてしまったのは、彼が育つ中で身につけてしまった差別意識が原因の1つだと思います。この映画は観客個人の中に眠る偏見みたいなものを認識できる良い機会になるのかなと思います。
日本のティーン向けの映画やテレビドラマなどで、このタイプの映像作品が多くの若い人の目に触れるようになればいいのになと願っています。