aimai

メソッドのaimaiのレビュー・感想・評価

メソッド(2017年製作の映画)
4.0
映像も演技も脚本も全部面白かった。
お互い役者、アイドルと他者の視線に晒されながら役を演じて来た2人が、演じるという事を突き詰めた場所がちょうどぶつかり合った一瞬を切り取った映画だなと思った。

浮気を知った妻が激おこで「あなたは公演前はいつも(役にのめり込みすぎて)おかしくなるのは分かってるけど、今回は相手が男なのか」みたいな台詞吐いたとき、あーこれは今までも色々やらかしてんねんなと推測。冒頭から妻が結構現場に顔出したり、腕を組んだり、やたら仲良いアピールすんなと思ってたけど、あれ牽制やったんやな。多分今までも手出したり出されたり面倒いことあったからなんやろな。役者って本人も大変やけど付き合う周りも大変やんけ…

物置での官能的なキスシーンの直前に、「お前は同性愛者なのか?」と相手に尋ねるシーン、2人の間に「性欲ではないなにか別の理由」によっての結びつきを確認し合う感じやったけど、それがお互いへの愛では無かったんやな…。自己愛に近い感じ。

役者が役柄を真実に生きているように演じることにより、真実と虚構の二つの世界において境界線が曖昧になるという危うさだけでなく、わたしたちも現実世界で自分という役柄を演じているのでは?という問いもあるのかなと。これ設定が映画とかドラマとかシーンごとの撮影じゃなく、舞台っていう現実世界と時間軸がリンクしていることでより境界線が曖昧になっていくってテーマに合ってると思った。
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