Okabe

マリア・ブラウンの結婚のOkabeのレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
5.0
具体化された抽象性、社会問題の伴奏でメロドラマをやってのける画期的な作品とするだけでは魅力をちっとも言い表わせないくらいに面白かった。というか金持ちになっていくマリアの恋愛悲喜劇がちゃんと面白くてシンボリックな支えなど要らないのだけど、この恋愛劇をちゃんとやる程にドイツ復興へのイデオロギーが明るくペシミスティックに浮かび上がってくる。クロースアップの官能表現やドライになったマリアの泣きのメトニミーなど、テクニック満載でしたたかで憎らしい。
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