マリア・ブラウンの結婚の作品情報・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚1979年製作の映画)

DIE EHE DER MARIA BRAUN

上映日:2012年12月15日

製作国:

上映時間:120分

ジャンル:

4.1

「マリア・ブラウンの結婚」に投稿された感想・評価

ニュージャーマンシネマの2本目。
なぜ自分の親の世代はナチス体制を生み出してしまったのかと激しく問い続けた世代。この映画は、第二次世界大戦後のドイツを描いた時代劇である。あの終わり方が、本当にマリアの結婚が始まったら何が起きていたかとを想像させる、と言う解説は読んでいてなるほどとも思った。何はともあれ、中立的な立場をとることで様々な解釈ができる映画で良作なことは間違いない。

ファスビンダーの世界は過激である反面、反動的な傾向を併せ持つことを隠さない。死への強烈な憧れ。にも関わらず、圧倒的な生への意志にし溢れたハンナシグラの姿。全うするのに突然幕は落ちる。この矛盾に引き裂かれた作品構造によって、この映画は真に現代的なのだと言える。

ゼルケンベルク、ハルクボームが演じた。最高にキュート。

冒頭がいい。戸籍役所で大量の結婚証明書が落ちてくるシーン。そこに三人。

あと音が素晴らしい。
宮崎アニメみたいにファンタジック。列車の蒸気の音かな。人間の息遣いのようで目がさめる。

またはどの人もみんな魅力的。ハンナにドレスを打った丸サングラスのおじさんのお父さんのような顔、またはお医者さん。老いという苦しみに悶えている。ビルも素敵だったな。例の反動によって死んでしまうけれど、ヘルマンが死んだと聞いて何も言わずに抱きしめ踊るシーンnice.
文字が読めない車掌さん。列車に乗ってくるアメリカの兵士。

ゼルケンベルクは好きだったんだろうなあ。
sc

scの感想・評価

4.3
初ビンダー
物語が進むにつれて、夫に対して愛があるのか疑問に思う(あるとは思う)くらいマリアの悪女感が増していく。ハンナシグラの名演もあって、その過程を観てるのが気持ちいいしおもしろい。演奏者のいないピアノを映しながらピアノ曲をBGMにしてる場面もあったけど、あれはマリアの心が満たされることはないことを暗に示してたのかな、知らんけど
菩薩

菩薩の感想・評価

4.3
恋は衝動、愛は目的、結婚は契約なのだとしたら、彼女にとってのSEXは手段でしか無いのだろうし、本当に欲しいものは生活だったのだろうと思われる。愛する夫は遠くに去り、そして死に、かと思いきや舞い戻り、そして離れ、再び去り、遂に彼女にとっての「2日目」が始まろうとする時、その生活には終止符が打たれる。身体は売れど魂は売らなかったマリア、一方ヘルマンは魂をいとも容易く金で売った、繋がっていると思い込んで糸は、最後に容易く途切れてしまう。自殺、もしくは事故、はっきり言ってどちらでも良い、これで二人は離れる事も無ければ、別れる事も出来ない、これは確固たるマリアの勝利、いや優勝である。真心ブラザーズ風に言えばどかーんと1発やってみよう!なのだろう、どかーんと始まり、どかーんと終わる、爽快ではないか。復興の象徴たる彼女の生き様、身なりも豪華さを取り戻し、性格も凶暴さを手に入れ豹変して行く。ヒトラーに始まり、アデナウアー(その他の宰相)で終わる、ヒトラーとアデナウアーに共通するキーワードは、おそらく「再軍備」であろう、では国民の熱狂の先には…何が待ち受けているのであろうか。
peachicpa

peachicpaの感想・評価

4.0
執拗な愛とあっけなさ。
最後まで目が離せない。といっても、そんなに展開がめまぐるしい訳でもないのだけど、
マリアの美しさと狂気、魅力が溢れてる。
抜け殻になったマリアの切なさ。
ラストシーンの皮肉がすごい。
映画全体は内容と登場人物と背景と、全てが浮いている感じで違和感がずっとある。彼女の気持ちがよく表れているよう。
kotone

kotoneの感想・評価

5.0
ヘルマン登場のシーンはあまりにも絵画だった だけどヘルマンがジャクソン・ポロックに酷似してたので絵じゃないんだと気をとりなおしました 扉、人物が手前、中間、奥 後半の鏡 、色彩設計、思い返すとやっぱり絵なのか
ラストのシーン、こういうのを待ってた そして富士フイルム、鮮やかさを保存してくださってどうも
今回も女性が履いてた靴に目がいきました しっかり爪先まで画面の中に入れるの大変じゃない? ファスビンダーにいつ会っても大丈夫なようにヒールを履くようにして髪も伸ばして明るくします
ptzkk

ptzkkの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まずオープンニングの過激さにやられる。画面が赤字で埋め尽くされる、タイトルバックはゴダールのそれを超えてる。
が、中盤、繊維業者の社長が出てきてから40分くらいがつまらなく感じた。ラスト、コンロでタバコをつけ家が吹っぶっ飛び、エンドロールという流れもまた過激。魂の破滅、破滅の美学。『13回の新月のある年に』もあんな感じだったな、まあこんなラスト見せられたら、中盤の乗れなさも帳消しになるよね~
大野

大野の感想・評価

-
彼らは何かを度々発見する。だが、それが何かは編集によって延長される。
yadakor

yadakorの感想・評価

2.0
この女性はたしかにしたたかだけれども、また同時に男にすがらないと生きていけない女性でもあったと思う 「抱かれたのではなく抱いた」というセリフに象徴されるように自分では自立していると思い込んでいたようだけど
夫を殴り殺しながらも他の男に罪をなすりつけていたのがこれを証明している
蹂躙

蹂躙の感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかくマリアの夫への愛で泣ける。
ヘルマンが刑務所に入った直後の面会で微笑みあうシーンが最高だった。

マリアがいろんな男と寝て、それを「好き」と「愛してる」で違うって説明するのは、すごく男性的ではないか?お金のためと吹っ切れてるのならわかるけど。それは少し気になった。もう少し違う理由付け欲しかった

タバコ危ないなあ、、と思ってたら伏線回収されてしまった。やっと生活が始まるのに、なぜ死んじゃうんだろう、、。
死なないほうが良い気がする。ハンナシグラも反対したらしい。
1000

1000の感想・評価

4.7
おったまげた。まさに爆弾級の傑作。
時代が時代だと、人は怪物になるしかないのか。マリア・ブラウンの置かれた境遇はどう考えても悲惨なのに、このスラップスティック感はなんだろうか。要所要所で笑ってしまう。

わけわからんSEや、モブの立ち回りなど、ところどころ気が狂っている。
ユーロスペースでやる特集上映も楽しみだ。
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