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マリア・ブラウンの結婚のあのレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
3.0
うーんファスビンダーにそれを求めに行った訳では、となる映画でした。やっぱりファスビンダーは脚本だけでいいのでしょうか?でも「13回目の新月のある年に」や「あやつり糸の世界」があるので、そうとも言い切れませんが...。

一途なマリアの壮大な新婚生活への準備という設定には非常に面白さを感じましたが、どうしても展開が映画にまで昇華されていなかった印象です。冒頭の空襲を受けながらの結婚式を除けば、電車の中も、廃ビルの中も、どのロケーションもそれぞれのシーンに対して決定打に欠けていましたし、そこで繰り広げられる会話劇もそこまで面白くなく、終いには夫への愛が大きいわけがシーンや言葉を重ねるにつれて分からなくなっていきました。

そして最も問題だと思ったのは、あまりにも雑なラストです。コックを捻ったままにした時点で嫌な予感がしましたが、まさか本当にそのまんまやるなんて...ファス兄さん...不幸な映画ばっか撮ってますが、そんな理由のない不幸を唐突にやったら、単なる不幸狙いだと思われてしまうでしょうが...それをやっていいのは、いつどこから不幸がやってくるのか分からないスリルを味わう「恐怖の報酬」みたいな映画だけだと思うのですが...

でもやっぱり役者はみんなよかったですし、ファスビンダーもやっぱり出たがりでよかったです笑
あ