ぺんじん

マリア・ブラウンの結婚のぺんじんのレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
4.9
これはたまげたな…なんちゅうラストだ…ヤバすぎる…
舞台は戦後ドイツ。戦時中に空襲を受ける中、わずか数日だけ結婚生活を送った軍人の帰りを待つ、美しきマリア・ブラウンが主人公になっている。
自分の我が身一つで戦後ドイツを逞しく生きるマリア・ブラウン。会社社長の愛人になりながらも、会社の方向性にガンガン口出ししていく所は戦後ドイツの女性の力強さと社会進出を表している感じ。だけども心は戦場から帰らない夫に囚われている所が様々なドラマを引き起こすんだよな…
それにしてもなんというラスト…ラストの後ろに流れているのは1954年サッカーワールドカップ決勝。ドイツが最強チームのハンガリー代表「マジックマジャール」を破って初優勝を飾る試合。そんな戦後ドイツのある意味転換点を示す日に、このラストを持ってくるなんて…
自分が勝ち取ってきたと思っていたもの全てが結局は男の手の中にあったという事の絶望…無慈悲な現実に打ちのめされる結末…スコセッシの前にファスビンダーがあったのか…あまりにも無慈悲…参りました…
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