"究極の女性映画"とされるのも分かる気がする。
70年代の映画が現代にも通ずるから凄い。
「あなたが私と寝たのではなく、私があなたと寝た。これが真実。」という名台詞でやはり度肝を抜かれた。
圧倒的に強い女性像を示したマリア・ブラウン。
力強いが「男の器」ではなく、あなたの妻であり女性。
オープニングから結婚式会場諸共、ファスビンダーのセンスが大爆発。
ラストシーンもセンス。
それでも、列車内でのシークエンスは痺れるどころのかっこよさではないので一番のお気に入り。
獄中の夫に対して対等というより、逆に私が養うっていう気概に圧倒されたし、途中にできた愛人に対してぶつけるのは、ただの欲であって愛ではない、心までは絶対に明け渡さないというのがマリア・ブラウンの結婚。
愛はひとつだけで、でも性愛は他にもあって…難しい。
そして、意外にも全体的にコメディ色が強く観やすかったのも良い。
［2023年 192本目］
