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負け犬の美学のAwoのレビュー・感想・評価

負け犬の美学(2017年製作の映画)
4.4
僕はこの作品を隠れた名作と呼びたい。
ロビン・ディーキン、2勝51敗。
ジョニー・グリブズ、4勝91敗。
ピーター・バックリー、32勝256敗。
ふつうこんなに負けてたら、誰もが口をそろえて言うだろう。
「君には向いてない」と。
もっと向いている仕事を薦められるかもしれない。
それでも、ひたすらこだわり続ける彼らを、愚者と呼ぶ人だって現れるかもしれない。
適正ばかりが重視されるこの世の中で、彼らの人生はほとんど無駄だと思う人だっているだろう。
それでも、この作品は、敗者にフォーカスした。
何が正解かは分からないけれど、この作品には、見落としてしまいがちな大切なことを描いてるように思えた。

主人公のスティーブが問われる。
君の強みは何だ?と。
彼は、パンチもスピードも年齢すらも劣っているけれど、
1つだけ負けていないことがあった。
それが、「やめない」ことだった。
誰にも必要とすらされていないかもしれないことを、続けることに意味があるかと自問自答してしまう中で、彼はただ1つだけ、やめなかった。

イチローも言っていたけれど、今必要になってくるのは、何かをやめないことだと。SUPERBEABERの渋谷君も言っていた、「いまをやめない」
これは、歳を重ねるごとに、痛感する想いがある。

映画としては、最後ハッピーエンドっぽく、勝利で終わらせた点、ラストのオチがいまいちしっくりこなかったけれど、とっても良い作品でした。
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