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兵隊やくざ 大脱走のmitakosamaのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ 大脱走(1966年製作の映画)
3.3
スカパーにて。兵隊やくざ5作目。
まず前作が脱走せずに終わったので、その部隊に居たまま物語が始まる。
相変わらずの大宮無双で隊の中をかき回す展開。

そこに慰問団の親子が救助される。その娘を慰安婦として身体を要求しようとした上官をフルボッコにし、縛り付ける傍若無人っぷり。
その親子は大宮が日本に帰れる列車まで連れて行き逃がしてあげる。

で、大宮は有田が心配なので部隊に戻る。と、部隊が全滅している。
この映画って、基本的にはソ連兵とかの敵が一切出てこないのが判るわ。敵の銃弾や爆破はあっても敵兵の直接的な描写がない。外人のエキストラを雇わずに創ってるのが判るね。

有田が死んだと思って号泣する大宮。生きていた有田と見つめ合う大宮。
兼ねてよりゲイっぽいと言われているこの二人だけれども、今作のこの描写はもう完全にデキてるな。それくらいゲイっぽい。

全滅した部隊を離れゲリラが鹵獲した将校の軍服を着て、他の部隊に合流する。学のない大宮が上官に成り済ます、この辺のやりとりは本当に面白い。
また、上官として部下に慕われるという大宮の人間味が出るのが心憎い。

部下に「八百の朝吉はご存じですか?」と聞かれたりする(笑)

そしたら成田三樹夫が再登場!3作目で出ていた憲兵が部下に成り済まして部隊に編入されていたという。敗戦を見越して脱走を持ちかけるが有田と大宮はなんと拒否。

ゲリラに囲まれて孤立している日本人開拓団を安全な所まで護送するという任務を名乗り出る有田。
ここで今作の異例さが如実になる。基本いままでは上官をしばき倒し、女郎を買い、隊を脱走するというスチャラカっぷりしか無かった大宮と有田だが、ココに来て自分の意志で軍務を積極的に担うことをする。

序盤の慰問の親子を助けることを、今度は軍務としてやってる。兵隊として戦うことではなく同胞を救出するという任務だが、それでもとても誇り高く描写される。成田三樹夫とも和解。これも今までになかった展開!

成田三樹夫は死ぬが護送任務が引き続き続けられる所で終わり。

それでタイトルの「大脱走」わい???大脱走じゃないじゃん!!
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