右京

リズと青い鳥の右京のネタバレレビュー・内容・結末

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

2022/8/3
久々の山田×吉田コンビ、震えた。
ストーリーは2期前半で中心となった鎧塚と傘木の3年生になってからを描いている。2期のラストで心境に変化があったと思われた鎧塚も、結局本心は変えられず、卒業を目前に青春の終わりが見えてきた時に心の変化をせざるを得ない状況と、リズと青い鳥の物語に自分を重ねるストーリー。視聴者はストーリーが進むにつれ、リズと青い鳥が真逆ではなく実は表裏一体の存在であり、鎧塚と傘木の心情もまた表裏一体であることに徐々に気付かされていく。その演出はかなり手が混んでいて、互いの心情変化を間接表現中心に演出し、視聴者がリズと青い鳥の関係性の違和感に気づくタイミングを経て、ストーリー上での答え合わせをする。演奏を通して自分の心に気付かされる傘木にフィチャーしたタイミングでストーリーはクライマックスなのだが、どこかフワッとした両者の着地は、それでもなお現実を全て受け入れたくはない両者の気持ちを表現しているようで、制作陣の「青春に結論を求めない姿勢」がめちゃくちゃ伝わってきた。
アニメに引き続き、屈折していてでも否定できない青春の心情を表現してはいるのだが、アニメにはなかったタイプの演出が光り、1つの映画作品として昇華されていたと思う。
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