おざ

リズと青い鳥のおざのネタバレレビュー・内容・結末

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

響けユーフォニアムシリーズのスピンオフ作品。本編の王道熱血部活ストーリーとは異なり、傘木のぞみと鎧塚みぞれの関係性の変化がテーマとなっている。

作品内で登場する寓話の「リズ」と「青い鳥」の関係性を現実世界の「のぞみ」と「みぞれ」の関係性とリンクさせて物語が進行する。そのため寓話パートは必要なのだが、そのクオリティーと尺は疑問符。

「リズ」と「青い鳥」の両キャラクターを務めた本田望結は声優が本業ではなく仕方ない部分はあるが、耳に入れるうえでノイズにはなる。(寓話パートゆえにあえて非現実感を出す意図での起用とも考えられる、、、)

ここまでは若干ネガティヴ意見でしたが、実はこの作品のテーマやストーリーはめちゃくちゃ好きです。

テーマはズバリ①子供から大人になる時期特有の衝突・葛藤・成長と②執着です。

二人が一緒の方向を向いて歩いていた冒頭シーンよりも、別々の方向を向いて歩く終盤シーンの方がよっぽど二人の足並みが揃ってるのが切なすぎて、、、
しかしそれが依存した関係からの自立、すなわち大人になるということを意味してて喜ばしくも感じます。青い鳥達が空に羽ばたく絵は、単に二人がそれぞれの進路に向かって歩みはじめることを表しているだけでなく、のぞみとみぞれが抑圧された関係から解放されたことを意味しているとも思わせます。

あと、一人称視点の映像を霞ませて涙が浮かんだ視界を演出する方法はアニメ作品ならではだと感じました。本シリーズは音楽の監修もしっかりしているので演奏もいいです。
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