ほのか

失明に関する所感のほのかのレビュー・感想・評価

失明に関する所感(2016年製作の映画)
3.8
自分の生活に於いて、当然の顔をして過ぎ去っていくひとつひとつ。あまりにも当然の事象すぎて、留めることすらもしなかったこと全てを、なにひとつ取りこぼさないよう丁寧に言葉にする。


視覚で認識していたことを、聴覚で触覚で感情で認識するとどういった言葉になるのか。
ドキュメンタリーと映画のちょうど合間にある。見えないから言葉にする、を、映像にする。見えないという事象を敢えて見える形にする、よく考えるとちょっと不思議だ。
同じ世界にいて、そこにちゃんと居るのに、ここにあるものを彼は何一つ見ることは出来なくて、彼にみえているものは彼だけしか知り得ない。
マイナスの気持ちにも向き合い、嘆く心にも耳を傾けるその姿に、なるほど「所感」ってこういう意味か…ってその単語がわたしの中に沈んできた感覚だった。


喋り声が心地良くてついうとうとしてしまったからまたちゃんと観たい…。