ヒッチコックの『サイコ』の有名なシャワーシーンは、わずか45秒の間に78ショット52カットもの数を7日間もかけて撮影した監督渾身のシーンだった。
シャワーシーンだけで90分語り尽くすだけでも凄いし、本当に映画に関わったスタッフや編集・音響・監督(ギレルモ・デル・トロ!イーライ・ロス!)などの本職の技術者らが分析してるので説得力のレベルが段違いに高い。『シャイニング』の各場面をこじつけに近いくらいあれこれと言い合う『ROOM237』とはえらい違いだ。
当たり前だけどサイコのネタバレは勿論のこと、他のヒッチコック作品の殺害シーンや他にも参照映画が沢山出てくる。映画好きとしてはひたすら楽しい目から鱗の事実がいっぱい。インタビューを受ける人達の中で、3人組の会話があまりに"オレら"過ぎて妙に親近感が沸いたw。
50年以上も前の作品なのに映像がくっきりなのは今のリマスター技術が凄いのか、元々フイルムの性能がいいのか。でも日本の作品は荒いイメージなんだよなあ。
終盤に怒濤のように紹介されるパロディ作品の羅列が面白い、『レゴサイコ』なんてものまであるんだw。
ヒッチコックが改めて凄い監督だと再確認すると共に、今まで思ってたよりも映画はずっと奥が深く、楽しみ方の幅が広くて、面白いものだと気付かされる良作だった。