KUBO

湖の娘: アンデスの水を守るのKUBOのレビュー・感想・評価

3.0
ドキュメンタリーのハシゴ、2本目は「湖の娘:アンデスの水を守る」。

ペルーのカハマルカでは、多国籍企業による大規模な金の採掘作業が行われていて、その土地に住む人々から「住む所」や生活になくてはならない水源である「湖」を奪おうとする。湖を爆破し枯渇させて、その土砂の中から「金」を取り出そうというのだ。

主人公は、その湖の神と話をする女性。開発によって湖が荒らされれば、湖に住まう神も妖精も死んでしまうと言う。

先日、TIFFで見た「泉の少女 ナーメ」。ジョージアとペルーでは遠く離れてはいるが、「水」を神聖化し、今なおそこに神秘性を残すところに共通点を感じた。

開発業者は警察や役所とも通じており(時のフジモリ大統領の外資導入策と関連しているらしい)、反対運動の中で5人の死者まで出た。

映画の中では、民主的な運動の盛り上がりで、一時的にでも権力側が引いた形で終わるが、開発と反対運動は今尚続いていると言う。

現場となった「カハマルカ」は、ほぼ500年前、インカ帝国最後の皇帝がスペイン人に殺された場所。500年経って、またアメリカから来た多国籍企業に土地まで奪われる、という歴史が繰り返されているとも捉えられるのだ。

本作は今日が日本での初上映で、来年2月4日に成田市での上映が決定。以降、順次全国での上映を目指しているとのこと。関心のある方はぜひ。
KUBO

KUBO