べるーし

ハングマンズ・ノットのべるーしのレビュー・感想・評価

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
5.0
800本記念に新たなオールタイムベストを。不愉快な悪趣味描写と暴力犯罪のバーゲンセール!

パチ屋でボロ勝ちしていたのを理由にカップル生主を強盗殺害する理不尽なロケットスタートは本作はこんな映画だと高らかに宣言しているかの様。

しかしただ悪意しかない暴力をやりました止まりではなくて、サラッと食事シーンや何でもない一言などリアルな人間らしさが垣間見える描写のおかげでより暴力シーンの厭さが際立つ工夫、凄過ぎる。それに飯が美味そうなのも良い。この手の映画は人殺す以外は人間なんだと思わせてナンボでしょう。

あと生主、政治家、慈善団体などに思いクソ喧嘩を売ってるのが尚の事笑えるというか、これらの場面のおかげで思想性ゼロどころかマイナスの今作に申し分程度の思想をブチ込むのは面白い。

ただの悪趣味映画かと思ったら意外にも丁寧な作り込みがあって、それは脚本としては殺される側が暴力を知らない基本的に弱者ばかりという点。思い出せばJKや慈善団体の関係者は次から次へと殺されるが、これはまさに弱肉強食社会においての暴力の力関係を表現し切れていたと思う。あ、ただサイコパスストーカーの柴田さんは弱者に見えて実は強いので例外。

『ベイビーわるきゅーれ』がやはり有名な阪元裕吾監督ですが、またこの路線に回帰して欲しいとばかり思います。ただ全く同じ路線にはならないだろうな。

交番勤務の警察官はニューナンブを携行しているのでもし捕まったら奪って撃とう!(不謹慎)
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