chanmasu

アクト・オブ・キリング オリジナル全長版のchanmasuのレビュー・感想・評価

4.0
演じる、という事が被害者の視点に立つきっかけを与えたのが感慨深い。演技とは何か?という問いかけも持っていて上手い作り。40年前の出来事として片付けていた事に深い罪悪を感じさせるって凄い。これは犯罪者の更生とかに応用できるんじゃないか。それまで気の良いフリ、虚勢を張っていた爺さんが懺悔し、報復を恐れる。そんなに多くの人を殺してそれを淡々と話していた様を見て"タダもんじゃない"と思ったけど終盤の彼は取り返しのつかない事をしてしまって怯えている1人の人間だった。血とか特殊メイクとか今の基準で見ておおよそリアルではない。一目見て作り物と分かるんだけどそれは実際に行われた事の再現である、という意味がつく事で恐ろしく思えた。
意外にも本人達は割とあっさりと虐殺そのものは認めているのも驚いた。それが正しいとかもう時効だとか個々に見解が違う。
映画制作を写す映画はやっぱり面白い。
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