りなこ

妻の愛、娘の時のりなこのレビュー・感想・評価

妻の愛、娘の時(2017年製作の映画)
3.9
第18回東京フィルメックス、OP作品です!

監督・主演のシルヴィア・チャンについて実は知らなかったのですが……去年のキム・ギドク監督のQ&Aが楽しかったので参加してきました(*⁰▿⁰*)

母(=お祖母さん)の死を看取った娘(シルヴィア・チャン)は、母を父と同じ墓に入れるため田舎にある父の墓を移そうとする。
父はかつて田舎で結婚していて、そのときの妻(=お婆さん)のもとに埋葬されており、お婆さんの猛反発にあう……

というお話でした。
文字にするとわかりにくい( ̄∇ ̄)

田舎で夫を待ち続け、やっとかえってきた亡き骸を渡したくないお婆さん。
定年を間近に迎え、旦那にも当たりがちなシルヴィア・チャン。
そして、シルヴィア・チャンの娘も、テレビ制作の仕事にシンガーの彼氏という不安定要素を抱えてイライラしがちな日々を送る。

3世代の女性が、家庭、仕事、愛について葛藤している姿がとてもおもしろかったです。

お婆さん役の方が本当に“お婆さん”って雰囲気の弱々しさがあって、「私が嫁よ。あの人からきてた手紙もあるし」と主張するのがなんとも切なかった…
終盤の、シンガーの彼氏(なぜかお婆さんと仲良くなる)からのお婆さんへの「プレゼント」の結末には、思わず涙腺がゆるみました(;o;)
煙モクモクのところも泣けた(;o;)

愛ってことばや行動を通さないと伝わりにくいから、もっと愛を伝えるべきだし、愛を感じてくれてる人がいるって幸せなことなんだなあって思いました。

うまくまとまっていないですが…
まだ配給が決まっていないらしいので気になる方はぜひフィルメックスでご覧ください〜。あともう一回上映あるそうです!


*****


審査委員長・原一男監督の
「私たちの生き方をかけて、映画が何を訴えているかしっかり見てやろうじゃありませんか(ニュアンス)」
というおことばがカッコよかった!
映画と個々の生き方は影響しあっている!
りなこ

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