マクガフィン

ウルフなシッシーのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ウルフなシッシー(2017年製作の映画)
3.0
しがないカップルたちの痴話喧嘩は、お互いが主義主張をしていることが多いので、会話としての兼ね合いは良くない。

会話が進む中盤以降に度々、2人の過去の馴れ初めやシークエンスが回想としてインサートされるが、次第に会話の主導権を握っていた女の主張が、徐々に崩れ初める痛々しさが、女の人生とリンクするかのようで、「こんな人生では無かった」という現在を浮き彫にする。

狭い部屋での会話は閉塞感を表し、所々に面白いアクセントはあるのだが、映画としは物足りない。舞台の方が相性が良さそう。「恋の渦」が嫌いな人は、相性が良くないかも。

将来に対してペシミスチック的どん詰まり感が際立つが、ラストの女の動きが、女の会話内容と将来を浮き彫りにするようにも。

悪いのは女の方で、男性性から見た女性性の矛盾のようにも。女性が見ても楽しめるのだろうか。一晩しゃべり続けてある程度リセットする感じや、それでも痴話喧嘩続けながら歩んでいく姿が、何となく良かった。