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娼年のezのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.5
3/12 完成披露上映会
原作既読、舞台未鑑賞

冒頭、リョウが劇中唯一“森中領”としてセックスをするシーンで、相手の女の爪がぎらぎらと下品に光っていたところから『娼年』の世界に引き込まれる。
光と陰の演出がとても丁寧で官能的で、うまくモザイクを避けて撮影されていてよかった。

リョウを買う女性たちは皆美しく魅力的であるのにも関わらず、全員が心のどこかにからっぽな部分がある。
リョウと体を重ねることで、同じく空っぽであったリョウによって様々な欲が満たされてゆく。

舞台では全員が観ることができなかったであろう細かな表情や息遣いがスクリーンから伝わってきた。
ぜひ、原作の『娼年』『逝年』を読んでから、または映画を観てから、触れてみてほしい。
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