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ホース・ソルジャーのTakeBtzのネタバレレビュー・内容・結末

ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『ホース・ソルジャー』は極上の共和党映画だ!

この映画を戦争映画だという人がいる。
またある人は、アクション映画だと言う。

確かに間違いじゃない。
そのどちらでもあるが、そのどちらを組み合わせても半分しか正解じゃない!

なぜならこれは、極上の共和党映画だからだッ‼︎

と、ドヤッた所で『ホース・ソルジャー』本題にいきます!

あらすじは、9.11以降、ブッシュ政権が主に中東で展開した対テロ戦争の第一歩である米軍特殊部隊のアフガンでの活動を描くって映画。

しかも、馬に乗って戦うって言うから驚きですが、これがまた実話を基にした話ってのがさらに驚き!

極め付けは、作戦に参加した12人は生存してるという、もう出来すぎたファンタジーみたいな映画。

描かれてる絵面は戦争なのに、かなりお気楽に観れる!

※事実では馬で行動したのは、ごく短い期間で、殆どはトヨタのピックアップトラックだったらしいけど

考えてみれば、実話としてここまで出来上がってるエピソードぐらいしか、それ以降のアフガン/イラク戦争の状態を見ると、美談がないってことだろう。

(ベトナム戦争映画に例えると『ワンス・アンド・フォーエバー』に近いテイストの作品かもしれない。)

同じ9.11以降の対テロ戦争を描いた映画で、ざっとヒットした作品を挙げても…

『ハート・ロッカー』は、イラクで活動する爆弾処理兵が次第に戦争スリルジャンキーになる話だし、

『ローン・サバイバー』は、子どもの命と仲間の安全を天秤に掛けて下した苦渋の決断が、最悪の結果を招くって実話映画だし、

『アメリカン・スナイパー』は、強く正しいアメリカというマッチョイズムを体現した狙撃手の戦争体験を通して、それがいかに兵士の魂を蝕むのかっていう批判だし、

『マイ・ブラザー』は、戦争で受けたPTSDがいかに家族を破壊するかという、まるで遅延性の猛毒が、アメリカ社会に流れ込んでるような映画だった。

とにかくお気楽に観れない内容が多いし、だいたい地獄だ!

しかし、お気楽に観れる娯楽としての戦争映画ってのを作らせると右に出るものはいない奴がいる!

それが何を隠そう、今作で製作に携わった共和党支持者のジェリー・ブラッカイマーだ!

彼ほど、あらゆる映画のジャンルを超えてアメリカンスピリット(保守的かつマッチョイズムよりな)のライトサイドを濃縮還元して製作するタイプは、なかなかいない。

上に挙げたタイトルのように戦争という題材に批判的な作品も多いけど、こういった娯楽作品を作れる人物や、その作品の存在自体、多様な見方をするのに充分存在意義があるし、今作『ホース・ソルジャー』はクオリティも申し分ない出来になっているのは、批判しようがない。

個人的には、あまり好きになれない“ガワ(映像表現)が良くて、中身がない”タイプの映画だったけどね( × д ×;)
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