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カメラを止めるな!のmのネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポスターのコピーですら邪魔だというレビューにより、一切情報をいれずに観れたのはラッキーであった。見終わってトレーラーやポスターをきちんと見たが、言われていた通り邪魔な構成や文言が多々あった。しかし商業的な面から見て、情報を一切与えず動員数も確保するのは難しいのかなとも思う。後半部分では声を出して笑ってしまうようなシーンが多々あったのだが、それを期待させるようなコメディー要素を広告に出しては、やはり前半のホラー映画として見せるという重要なファクターの邪魔をしてしまうし、かといってホラー映画として売り出してもそれを期待して足を運ぶ観客とは大きな温度差を生んでしまう。そう考えると広告のフォントの選び方などは良い落としどころなのかなと思った。

後半の醍醐味を作るために絶対的に必要な前半部分ではあるが、その進展の無さや安っぽさから、非常に苦痛な時間であった事は間違いない。ストーリーの辻褄が狂わない程度にもう少しそれぞれの役者の演技力が高ければ、その苦痛ももう少し減っただろう。そういった面では、低予算であること、無名の俳優を使っていることなどは、言い訳といった意味も含め、この映画をあらゆる面から助けているかもしれない。

所謂シックスセンス式というか、最後まで席を立つな型の映画である事はなにも目新しいものではないが、ホラーとコメディという相反する2色展開であること、またそのホラー要素がアクシデントというコメディによる産物である事がこの映画の肝である。カメラという、長方形の画面のみを切り取って作られる映画という媒体だからこそ成り立つ作品であり、そういう意味でカメラという言葉がタイトルに含まれているのは嬉しい。

前述した前半部分も起因して、DVDを買って何度も見ようと言う作品ではない。そういう意味では一発屋的な映画ではあるが、休日のエンターテイメントとしてお金を払う価値のある、非常に優れた映画だったと思う。
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