このレビューはネタバレを含みます
傑作!
指原がすごい勧めてたから見ました。
事前に言われてる通り冒頭30分はかなりひどい。
B級映画感丸出しだし、カメラが落ちたり、揺れたり、謎の足が映り込んでたりして結構見るのがしんどい。
すごいのはそのあとで、ここからはカメラも固定されちゃんとした映画として見れるようになる。
映画製作の舞台裏を描くっていう時点で映画好きには絶対刺さる。
俳優やスタッフそれぞれのキャラが立ってて、打ち合わせの時に伏線がちりばめられる。
そして、終盤の本番撮影の裏側のシーンへ。これまでちりばめてきた伏線を全て回収。本当に少しでも違和感を感じた部分は全て伏線があるのでスッキリ。
あ、あれこういうことだったのね!っていう発見が楽しい。
主演女優が最後にゾンビに絡まれるシーンで、ちょっと長くない?と思ったところがしっかり伏線回収されたのに一番感心した。
純粋にゾンビ映画ってこうやって撮ってるんだーって思ったりもした。
エンドロールがこの映画自体のメイキングになってるのも凄い面白い。エンドロールまで「映画の舞台裏を描く」というコンセプトに合わせてきてるこだわりが良い。
だから実際のゾンビ本番シーンの撮影現場では、①濱津さんが持ってる監督カメラ、②終盤で裏側を描くためのカメラ、③この映画のガチのメイキングカメラの3台のカメラが回ってたことになる。
簡単そうに見えるけど、カメラは常に①、②、③の順になっていないといけない(①に②のカメラが映り込んだりしてはいけない)ので、それぞれのカメラの構図とか位置がめちゃくちゃ計算されているはず。
完全な娯楽映画と見せかけて、終盤で地味に親子愛をしっかり描いてる。父が肩車した上に娘が乗ってカメラを掲げるカットは最高。
低予算でも才能があればこんな面白いの作れちゃうんだって思わされた。