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カメラを止めるな!のosiroのネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ワンカットで取られたゾンビ映画とその裏側についてのことの映画。
最初、ワンカットであることやメイク・撮り方の粗さから、何の映画なんだろうと考える。
カメラマンが登場人物の一人でないとおかしいようなカメラワークでありながら、登場人物であるとはどうしても思えない。
そこで、自主制作的なゾンビ映画なのだろうという観点で見始める。ぎこちなさやドタバタ感が楽しくなる。
エンドロールの後、シーンが変わる。ゾンビ映画に出てきた監督が現れる。
ゾンビ映画が作られるまでの物語が始まる。ここで明確にメタ映画になる。(ゾンビ映画がワンカットで取られていたあたり、メタ映画の示唆を思わせる)
ワンカットで生放送という無茶な企画から始まり、出演者、スタッフもまるっとダメダメな状態から映画が作られていくことになる。
そして撮影当日、期待通りにトラブルが乱発する。
ここまででメタ的な視点はある程度出しきってしまうので、ドタバタコメディ兼ヒューマンドラマ兼サスペンスの種明かし的なものとして映画を楽しむことになる。

以下の点で、これまでしてきた多くの映画鑑賞とは逆の順序で感情を辿ることが面白かった。
- ゾンビものは日常が壊されていく事が多いのに、最初からゾンビが出てくる。
- メタものは非メタなものををメタとして捉え直すところが面白いのだが、ワンカットによって最初からメタになってしまっている。
- メタはオチとしてではなくコメディ(非メタ)への導入装置として使われる。
- ホラー的な怖さはひっぱらない。
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