このレビューはネタバレを含みます
🖼勝手に秋の絵画展🎨⑫
パリに息を詰まらせ理想を求めて渡ったタヒチでのゴーギャンと現地妻テフラの話。
芸術のためなら妥協を許さず犠牲も厭わず近親者を苦しめても我が道を行く。
困窮の中いくら筆を取ろうとも、ゴーギャンには同情も憐れみも感じなかった。
パリに残した妻と5人の子供は放ったらかし、偉大な芸術家になるという大義名分を振りかざし、現地妻テフラまで貰い絵画のインスピレーションにする、挙げ句食べる事に困り逃げ出す妻を軟禁、そして強制送還。
そんなダメ男に振り回されたテフラが気の毒、だから最後に待ってまでモデルをしたテフラの心根がいじらしく、「私は確かにここにいたんですよ、忘れないで」と涙を浮かべた表情が語っているようで目頭が熱くなった。
このラストシーンがそれまでのモヤモヤを吹き飛ばすほど美し過ぎて、映画として良い余韻を残してくれた。
後に傑作と呼ばれるようになったこれらタヒチ作品達を書かせたのは2人の愛だった。
監督 エドゥアルド・デルック
キャスト
ヴァンサン・カッセル
チュアイ・アダムズ
マリック・ジディ
プア=タイ・イクティニ
ペルニール・ベルゲンドルフ
マルク・バルべ
サミュエル・ジュイ