CharlieZG

ヤーラのCharlieZGのレビュー・感想・評価

ヤーラ(2021年製作の映画)
3.6
ヤーラ殺害事件を解決へ導いた女性検事の執念の話。

ヤーラ事件はイタリア全土を揺るがし日本でも報道され、その真相に隠された事実があまりにも衝撃的で有名な事件。

2010年11月26日、イタリア・ミラノの隣りベルガモ県でジムへ出掛けたまま行方不明になった13歳のヤーラ・ガンビラジオが行方不明になった。
彼女は将来を嘱望された新体操のホープだったこともあり、地元ニュースから全国版へと報道拡大された。

行方不明から3ヶ月後遺体が発見され犯人の手掛かりもありながら捜査は難航、そして前代未聞のDNA鑑定が実施される・・・

こうして判明した事実が世間をあっと驚かせた衝撃的なもの。
これが実話というから “事実は小説よりも奇なり” を地でいく事件だった。

映画は犯行動機や犯人の心の闇や衝撃的事実の詳細などには一切触れず、迷宮入りしそうな捜査から解決へ展開する様を女性検事レティツィア目線で描いている。

実話を元に作られているが、この検事レティツィアは実際に活躍した刑事をモデルにした架空の人物だそうだ。

難航する捜査に税金の無駄遣いとか警察内部の対立などマスコミから叩かれながらも犯人を突き止める強い信念に圧倒されるが、レティツィアも子を持つ母で、その子も被害者と同じ歳頃で体操をやっている少女、つまり検事としてだけでなく母親として自分ごとのように事件解決に執念を燃やし、あくまでも司法に則って進行するけれど根底には暴行犯に対する全女性の怒りがあり最後の被害者母親との目配せに大いなる連帯感を感じた。

レティツィア役イザベラ・ラゴネーゼの検事としての強さと子を想う母心を使い分けた演技が嫌味なく好感。
ラスト法廷シーンでの鬱積したものを全て跳ね返すようなレティツィアの弁論にも胸がすく。
良かった。


監督 マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ

キャスト
イザベラ・ラゴネーゼ
トマス・トラバッチ
アレッシオ・ボーニ
サンドラ・トッフォラッティ
ロベルト・ジベッティ
マリオ・ピレッロ
ミロ・ランドーニ
アンドレア・ブルスチ
アウグスト・ズッキ
ロドルフォ・コルサート
グロリア・ベルリッチ
シルビア・コーエン
CharlieZG

CharlieZG