FREDDY

ファントム・スレッドのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ポール・トーマス・アンダーソン監督とダニエル・デイ=ルイスが2度目のタッグを組み、1950年代のロンドンを舞台に、有名デザイナーと若いウェイトレスとの究極の愛が描いた恋愛作品ということで。印象としては、レイノルズ・ウッドコックを演じたダニエル・デイ=ルイスの演技力と存在感は相も変わらず魅力的で心惹かれるものを感じましたし、アルマ・エルソンを演じたヴィッキー・クリープスやジョアンナを演じたカミーラ・ラザフォードなどといったキャスト陣も目に残る確かなものがあり好印象。中でも一番目を引いたのは、シリル・ウッドコックを演じたレスリー・マンヴィルですね。彼女が画角に収まるだけで作品に"締まり"が感じられますし、"表情や表現の圧"と言いますか、彼女の演技に目を奪われるとともに妙な緊張感を覚えました。そして、1950年代のロンドンを舞台に、英国ファッションの中心に君臨し、社交界から脚光を浴びる天才的な仕立て屋のレイノルズ・ウッドコックと、若きウェイトレスのアルマ・エルソンを軸に描かれる物語は、一見、地味な印象を受ける、円熟した恋愛模様が終始映し出されるのかと思いきや、今後の展開が気になるほど中盤では表情を変え、女性を美しく見せる最高のドレスを着させることだけを望む完璧主義のレイノルズに臆することなく、恐ろしいほど情熱的な愛で彼の心に入り込もうとするアルマから目が離せずにいましたし、どのような終幕を迎えるのかが楽しみでならなかったですね。何となしに視聴をはじめた作品ではあったのだが、ただただ面白かった。衣装も音楽も印象的でしたし、映像の古臭さがまた味があって良かった。
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