福井康之

日日是好日の福井康之のレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.1
真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいな典子は大学生になった二十歳の春、母親の勧めでお茶を習うことになる

「ただ者じゃないわよ、あの人…武田さん。」

「お茶って変ですね。」

「まぁ、意味なんか分からなくてもいいから…とにかく、そうするの。」

「なんでも頭で考えるから、そういうふうに思うんだね。」

「一生に一度かぎりだと思って、おやりください。」

「最後にみんなでごはん食べたのいつだっけ?」

なんだろう…おもしろい映画って観てるとあっという間に時間が過ぎるんだけど、この映画はただただ静かに四季の移ろいを視覚や聴覚で感じていくようにゆっくりとじっくりと観ているようで、100分の物語をもっと長く感じたし、なにより映像や音が凄くよかった。それがまた、樹木希林さんの持つ空気とか、黒木華さんから感じる雰囲気がとても似合ってて見事でした。

「毎日が良い日…そういうことだったのか。」

"日日是好日(にちにちこれこうじつ)"

典子がお茶を始めてからの24年、世界では様々なことが起ころうとも、典子は土曜日になると武田先生にお茶を習いに行く

「豚?」
「いや、犬…犬ですよ。」

僕がこの歳だからこそ…てのもあると思うけど、とてもゆっくりと染み込んでくるような映画でとても良かったです。
福井康之

福井康之