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日日是好日のtomoeのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.7
主人公がお茶の世界を通して成長していく姿が描かれている。
日日是好日。本当の意味は全く分からないけど、日々の生活のなかで悪い日なんてない。捉え方で学びのあるプラスな一日になる。寧ろ自分にとって良くない日だなと思ってもそう感じれること自体が今を生きている実感となるのかなと思った。
雨の音や風の音、お庭の景色の変化、主人公も言っていたけどお水とお湯の音の違い。普段の生活では気にも止めないことにも五感が反応してその一瞬一瞬を感じることができるのがお茶の世界なのかなと素人ながら思った。
そしてシーンごとに異なる掛け軸。この映画ではとても重要なメッセージを表しているように思う。季節に合わせて、時には長い付き合いの主人公に向けての静かなメッセージとして。掛け軸を毎回掛け直す先生の姿が目に浮かぶ。
樹木希林さんの役とは思えない佇まいと滲み出ている人生の先輩としての風格。それでいて何でも包み込む優しさ。この映画は希林さんのために作られたものでないかと思うほど。ご冥福をお祈りします。
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