品川巻

プリシラの品川巻のレビュー・感想・評価

プリシラ(1994年製作の映画)
4.9
3人のドラァグ・クイーンが、「プリシラ号」と名づけたバスで砂漠を旅するロード・ムービー。今まで観た映画の映像の中でトップレベルに好きかもしれない...衣装も景色も乗り物もステージも可愛すぎる。悪口を書かれたバスをラベンダー色のペンキで塗り直した後、ドレスに着替えて砂漠で踊り出すシーンは、観ているこっちも体調が良くなる🕺
あのぶっ飛んだアジア女性にドン引きするシーンは、クイーンたちの他の客と変わらない普遍的な感性をしっかり描いていたので必要だったと思う。

三者三様のクイーンたちが、喧嘩しながらも泣きながら支え合って最後は全てダンスに昇華していく気持ちよさで胸がいっぱいになる。
世間知らずなフェリシアがゲイの生きづらさを目の当たりにしたあの事件の後、「好き放題生きて来られたのは、自由な都会に守られていたからだ」と諭してくれたバーナデットのハグは温かい。けど、ミッチの過去が子供に認められるくだりは余りにも美化されている気がしてしまった。成熟せざるを得なかった我が子に親のケアを任せていいのかな。

バーで悪口を言ってきたおばちゃんと飲み比べて勝つシーンでぐるぐる回るところは、ピンクフロイドのデビューアルバムみたいで好き。あと犬の名前ヘルペスはジワる。
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