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レイニーデイ・イン・ニューヨークのtubure400のレビュー・感想・評価

2.8
少し前に『ウディ・アレン追放』という本を読んで、なるほどなぁという気分になった。マイケル・ジャクソンの『Leaving Neverland』を観た時はこれから先マイケルを聴くたびにこれを思い出すことになるんだろうな…という気持ちになったけれど、特にそこまでMJに思い入れがなかったので、まぁ…という気分だった。ウディ・アレンに関してはまだ気持ちの整理がつかない。高校生の時に『アニー・ホール』とか『マンハッタン』を見て素敵だな〜と思っていた思い出とか、大学生時代、鬱状態の時によく『重罪と軽罪』とか『ハンナとその姉妹』とか観て救いを感じていた思い出を考えると、すごく残念な気持ちになる。過去の作品の素晴らしさまで遡及的に否定されるような感慨がある。ウディ・アレンが品行方正な好々爺だったらどんなにか良かっただろう、と思う。あるいは、我々は、性犯罪者が描いたちょっと変な感じの絵画をアウトサイダー・アートとして楽しむような感覚でウディ・アレンの映画を味わうしかないのか?

実際どんな感じなんだろうと思って観てみると、ウディ・アレンの化身のような主人公をティモシー・シャラメが演じている違和感に慣れれば、普通に面白いことは面白い。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』っぽい気もする。ニューヨークは素敵だし、適当に色んな人の家とか、美術館を出たり入ったりするティモシーが格好いい。ティモシーに罪はないもんな、という気持ちになる。それにしてもエル・ファニングの扱いがひどすぎて、なにこれ、エル・ファニングに恨みでもあんの?という気持ちになった。
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