海老

映画しまじろう『まほうのしまの だいぼうけん』の海老のレビュー・感想・評価

3.5
娘の年齢的に、そろそろ、今年が最後かなぁと少し寂しく思いながら鑑賞してきました。

話の趣旨は、同シリーズの「おおきなき」を彷彿させます。同じく親子のすれ違いが骨子なんですが、今回は、子を思うあまりに心配が束縛になってしまう親と、もっと認めてもらいたいと奮闘する子供の話で、親子なら少なからず思い当たることですね。
しまじろうとママ。
見習い魔法使いのアウラと師匠ベルナ。
同じ境遇におかれたもの同士、子も親も成長していくという、子供には分かりやすく、大人にもグッとくるテーマになっています。

シリーズにお馴染みなクイズコーナーや実写パートなどがなく、今作は物語にのみ注力していました。大人としては話にそのぶん集中できるので良いのですが、小さい子供はどうなんでしょうね?うちの子は満足そうだったので、問題ないのかな。

話は子供向けなのでわりとありがちではあるんですが、良いセリフが結構あって、あながち侮れないんです。



以下、ネタバレぎみ



魔法の国では誰でも魔法が使えるのに、なぜか一人だけ魔法の使えないしまじろう。
この設定が後半に色々とかかっているのも良いです。
「魔法が使えないっていうのは、案外、魔法に頼る必要なんてないということかもしれない」とか、
「魔法も使えないのにどうして立ち向かえるの?」→「あれがしまじろうの魔法。勇気、諦めない心、優しさ。」とか、普通に良いセリフですね。
最後の別れ際、耐えられないアウラが
「別れが悲しくなくなる呪文を教えてよ」と涙するのに対して、
「また会おうね、だよ」と返すしまじろう。イケメンすぎるだろう。

映画の特性上、ほぼ確実に同伴の保護者がいるので、保護者に向けたメッセージが多く散りばめられていたり、親心の鍵を使ってこっちの涙腺ダムを壊しにかかってくるのが、しまじろう映画の特徴です。

油断してると泣きますよ。
子供に不思議がられるほどに。

と、油断した僕が忠告します。
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