アメリカで作られた元の映画は、多くの国でリメイクが作られたらしいが、本作はその日本でのリメイク版。元の映画をかなり忠実に再現しているようだ。短期記憶障害という障害を背景にしながらも、それをラブコメとして料理して成功している点で、アプローチが新鮮で、最近の作品では先日観た「コーダ あいのうた」にも共通している。そんな能書きは気にしなくても、本作は純粋に娯楽映画として、十分に楽しめる。生活スタイルや人々のやりとりは、いかにもアメリカ的な要素が強く、普通に日本人が演じると不自然に感じられる。しかし、幸いにも、元の映画はハワイが舞台で、本作もそれを踏襲してハワイという設定なので、日本人が演じてもあまり不自然さは感じない。物語としては、ある程度、先が読める訳だが、それでも楽しめる。よくできた作品。なお、ときどき、元の映画は実話を元にしていると言われることがあるが、ウィキペディア記事（英語版）では、そのような説明はなく、逆に実際の病気との関係・違いが記載されているので、おそらく事実ではないだろう。
