七沖

恋は雨上がりのようにの七沖のレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.0
〝その人は、どしゃぶりの心に傘をくれた〟
雨がキーワードになっていて、あきらの心にリンクするかのような天気の移り変わりが印象的だ。

高校生のあきらは足の怪我が原因で陸上部の活動から遠のき、今はファミレスでのアルバイトに力を注いでいる。あきらをアルバイトに駆り立てるものは何なのか? 実はあきらは、ファミレスの店長に恋心を抱いていて…というストーリー。

疾走感のあるオープニングから惹きこまれた。
「人を好きになるのに理由なんて要りますか?」
「俺と橘さんだと、理由は要ると思うよ」
大泉洋が演じるファミレス店長が、あきらに告白されて動揺しまくる様子がコミカル。
花の女子高生からの熱烈アタックだ。もっと理性と欲望の狭間で悶える展開かと思ったが、店長は大人として立派だったと思う。冴えないどころか、かっこいい。

観る人の年齢によって、あきらと店長のどちらに感情移入するかが分かれそうだ。かく言う自分は店長側。あきらと接するうちに、諦めかけていた夢を再認識する店長に励まされた。

恋愛がメインだと思っていたのだが、夢や友情など青春映画の要素も兼ね備えた爽やかな作品だった。
七沖

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