45歳でもない
男でもない、
それでも私は、“ボク”と“おれ”の間で揺れ動くひとりの男に誰より感情移入した。
音楽がとても良かった。漫画原作らしいので、たぶん似せなきゃならないポージングとかアングルとかってのがあって、たまに映画としてはちょっと不自然かな、と思うシーンがあるにはあったけれど。原作を全く知らなくても、とても好きになれる世界観でした。
走る気持ち良さを何より思い出させてくれた。恋にも、陸上にもそそぐひたむきさ。そういう爽やかさに惹きつけられて、見たくなったのだと思う。
忘れ物を取りに行く感覚。過去に置いてきてしまったものを、思い出させてくれる存在に出会えるって幸せなこと。
出会いは、未来からやってくるものなのに。出会ってしまえば、世界が広がって、世代が違う人の時間までをも、一緒に生きてしまう。
誰かを想うってきっとそういうこと。
だから、誰かを想うって素敵なことだ。