うめ

ゲティ家の身代金のうめのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.0
神楽座で試写会

誘拐されたポールと犯人、母親と交渉人、そしてゲティ家が主な場面になりますが、怒涛の場面転換と巧みな緩急で危機感が煽られっぱなし。手に汗握りっぱなし。さすがエイリアンシリーズのリドリースコット監督。二時間越えも気にならない。

1970年代のイタリアの街並みやゲティの屋敷、抑えた色合いでとても美しい映像でした。

誘拐犯が一番悪いはずなんだけど、大騒ぎするマスコミや無関係を決め込む市民、日常に潜む悪意に背筋がヒヤリとする。
そうかと思えば、思いもよらないところから、人間の優しさを垣間見たり。
何色にもなる人間を巧みに撮っている。
そんな中で犯人にも、身内にも立ち向かうお母さんは強く美しかった。もちろん弱さもきちんと描いていて、それを表現し切った母親役のミシェル・ウィリアムズ凄い。ラスト、圧巻の演技です。
当時のファッションも忠実に再現されていて、母親やゲティお爺ちゃんの着こなしも見所の一つ。あの絢爛豪華な屋敷と美術品に埋もれないクリストファー・プラマーの存在感も凄い。
個人的にはチャーリー・プラマー演じる息子のポールと犯人側のロマン・デュリス演じるチンクアンタが目の保養でした。二人の徐々に変化して行く関係にも目が離せない。
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