時系列が行ったり来たりのノーラン節。複雑さに振り落とされまいと必死で観始めてしまうので、構成としてはいいのかも
最初はほぼ、聴聞会のやり取り（それもいじめのような）が、観客を飽きさせない手法で進んでいく
小学校の時に「はだしのゲン」を読んでいた世代なので、広島、長崎の映像を直視できず目をつむってしまうオッピーが何を見たかは想像できる。そんな予備知識のない人たちはどうなんだろう。オッピーが、自分を追い詰める聴聞会のスタッフに対して、原爆の爆風にさらされるさまを夢想するシーンがあったけど、それほど怖くなかった。そこをグロくして恐怖をあおるのは良しとしなかったのか、他国では十分核の脅威が伝わっているのか、ちょっと気になった
WW2の終わり方も他にやりようがあったのかもしれない。けれど、時代の流れの中で問答無用に進んでしまう時があるなぁと思います。その中で必死に生きる人たちを三つの流れでつづった今作は、音楽や音の効果も相まって、観客もその時代にいるかのような、没入感を与えてくれました
サー・クリストファー・ノーランの映画はIMAX派ですが、今作はドルビーや通常スクリーンでも楽しめそうです
ただ、キリアン・マーフィーの宝石のような瞳（だんだん苦悩に満ちていくけど）を堪能し、緊迫感がごんごんと迫ってくる音を体験したかったらぜひ、IMAXで
